3頭の出産と、あやめのこと

4月、薫る野牧場では3頭の牛が出産しました。

今回が初めてのお産となる「あられ」、2産目の「すみれ」、5産目の「あやめ」、3頭とも人の手を借りずに出産を終え、生まれた子牛は全員女の子でした。

左から
「すみれ」の子「れみ」
「あやめ」の子「あめ」
「あられ」の子「ひな」
4/10、あられにとって初めての出産でした。
4/16、2度目の出産を迎えた「すみれ」
林の中で産んでいました。

ひと安心したところでしたが、あやめが出産翌日に乳熱(低カルシウム血症)という産後特有の症状で倒れ、獣医師の処置のもと回復に向けて手を尽くしていたのですが、1週間後に亡くなってしまいました。

山地酪農の牛は安産が多く、勘違いをしてしまいそうですが、出産は決して楽ではない、産後の身体の負担も大きく何が起こるかわからない命懸けの大仕事なのだと、あらためて身が引き締まる思いです。

私自身、あやめが倒れた日の夜中に破水し16時間かかってようやく初めての出産を終えたのですが、毎年のようにこれを繰り返す牛たちは、こんなに大変なことをしているのかと実感しました。
(もちろん人間のお母さん達も同じく、尊敬の気持ちでいっぱいです。)

大野山に来てからもうすぐ4年、穏やかな性格のあやめは、4頭の子牛を産んでくれました。

あやめ、助けてあげられなくてごめんなさい。

今まで本当に、ありがとう。

4/24、雨の中で5度目の出産となった「あやめ」
娘の「あめ」は、人の手で哺乳をして育てていきます。
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