春の牛と、ノシバ

山もすっかり青くなり、牛達は春の草の味を楽しんでいます。
牛乳も、冬の干し草中心の味から、青草の味に変わり、草の色素(カロテン)が移行して黄色味が強くなっていきます。

斜面の草を食べる、さわ(手前)、あられ(奥)

現在、搾乳中の牛は「さわ、あおい」の2頭。
5月中旬に「あられ」、6月下旬に「れみ」が出産予定で、それぞれが搾乳牛に加わるとまた違う味わいが楽しめると思います。

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暖かくなったので、薫る野牧場では、昨シーズンに裸地になってしまった箇所に野シバを植えました。

昨シーズンに裸地になってしまった所。
このままだと、雨ですぐに崩れてしまいます。
崩れやすい土地のため、マット状の野シバを使用します。
根付くまでは、こまめな水やりと、野生動物に荒らされないよう管理が必要です。
ちゃんと定着しますように。

富士山の火山灰由来の「スコリア」というサラサラして崩れやすい土壌の多い大野山は、強い雨が降るとすぐに土が流れてしまいます。
野シバは根が深く細かく張るため、土砂崩れを防ぐ力があり、山地酪農において非常に大事な植物です。

大野山で山地酪農を始めてもうすぐ丸6年。
野シバが根付いた箇所は、牛の蹄で強く踏んでも崩れませんが、そうでない部分もたくさんあります。

牛たちは野シバも他の草も食べますが、次第に再生力の強い野シバが残って広がります。
牛に食べられた野シバの種が、糞として落とされた所から生えてきます。

牧場内に根付いた、野シバ。
黒っぽいのが穂で、種になります。

まだ何年もかかるかと思いますが、野シバの力で崩れにくい山を作るのが、大きな目標のひとつです。

牛の力が欠かせないため、天気の悪い日も年中外で頑張ってもらっていますが、穏やかな日はのんびり過ごしてほしいなと思います。

5月中旬出産予定の、あられ。
3度目のお産です。
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